美味しい焼き芋の作り方!さつまいもの種類別に土鍋・電子レンジを使って検証します
記事の目次
甘くて美味しい「焼き芋」は今や季節を問わず大人気で、スーパーやコンビニでも目にすることが多くなりました。
さつまいもを焼けば「焼き芋」は作れますが、さつまいもの種類や調理法で水分量や甘みが随分変わります。そこで、今回の土鍋ラボではさつまいもの種類や調理法による違いを比較してみました。ぜひご自宅で作る時のご参考に!美味しい焼き芋を楽しんでください。
<さつまいもの種類と特徴>
さつまいもの整腸作用
さつまいもというと「お通じ」がよくなる印象が強いと思いますが、これには食物繊維が豊富だからという理由だけではなく、さつまいもに含まれる「ヤラピン」という栄養成分が関わっています。ヤラピンとは、さつまいもを切って少し置くとにじみ出てくる白い汁に含まれており、腸内のぜん動運動に働きかけ、便をやわらかくする効能があります。
食物繊維とこのヤラピンという栄養素の相乗効果で整腸作用が促されるわけですね。
実験に使用したさつまいもの種類
さつまいもにはしっとり系、ホクホク系、ねっとり系の大きく3種類あり、今回はスーパーで手に入りやすい代表的な品種で比較実験を行いました。
■しっとり系「シルクスイート」
特徴:甘みがほどよく、その名の通りシルクのような滑らかな食感で繊維質を感じないほどの舌触りが特徴。
糖度:約8.8度
■ホクホク系「なると金時」
特徴:ホクホクとした食感、粉っぽい舌触りと、上品な甘さが持ち味で、昔ながらの馴染み深いさつまいもと言える。
糖度:約13度
■ねっとり系「紅はるか」「安納芋」
特徴:ねっとりとした口あたり、クリーミーで濃厚な甘み。焼き芋にすればスイーツのような甘みを持つのが特徴。特に「紅はるか」は近年の焼き芋ブームを引き起こした火付け役と呼ばれる品種。
糖度:紅はるか 約30度 / 案納芋 約20度
<実験内容>
土鍋調理2種と電子レンジ調理で、4品種のさつまいもの水分量と甘さを比較する。
使用土鍋
ロースト土鍋
空焚き可能で、ロースト・無水調理に適した土鍋。特にこの「ロースト土鍋」は他の土鍋よりも密閉性が高く、長時間の空焚き調理にも対応するため、焼き芋に向いています。また伊賀土鍋の粗土の特性(多孔質)により蓄熱性が高く、また遠赤外線効果で食材の芯までしっかり熱を通します。
焼き芋にする食材
前述の、紅はるか(ねっとり系)・なると金時(ホクホク系)・シルクスイート(しっとり系)・安納芋(ねっとり系)の4品種。大きすぎず150g~250gの土鍋に入りやすいサイズのさつまいもを使用。
<実験の基本条件>
実験1:「ロースト土鍋」ショートバージョン
「ロースト土鍋」に付属の金網をセットし、4品種のさつまいもを並べ中強火で20分加熱後、火を止めて30分余熱調理する。
実験2:「ロースト土鍋」ロングバージョン
「ロースト土鍋」に付属の金網をセットし、4品種のさつまいもを並べ弱火で60分加熱後、火を止めて30分余熱調理する。
実験3:電子レンジバージョン
4品種のさつまいもをそれぞれ厚手のキッチンペーパーで包み、しっかり水で濡らしたものをラップで包む。電子レンジ600Wで1分半加熱後、200Wで8~10分さらに加熱。
ラップとペーパータオルをめくり、太い部分に竹串を刺してスッと通れば完成。硬い場合はペーパータオルとラップを元に戻し竹串が通るまで200Wで30秒ずつ、追加で加熱する。
<実験結果>
実験1:「ロースト土鍋」ショートバージョン
実験2:「ロースト土鍋」ロングバージョン
実験3:電子レンジバージョン
比較表
<考察>
・ねっとり系の「安納芋」「紅はるか」は、土鍋のロングバージョン(弱火60分+余熱30分)が水分量・甘さともに最も評価が高かった。土鍋の遠赤外線効果とじっくりゆっくり熱を加える方法が今はやりのねっとりと甘い感じを引き出してくれる。
・ホクホク系の「なると金時」は土鍋ロングバージョンよりも、ショートバージョン(中強火20分+余熱30分)の方が評価が高かった。これは火が強く香ばしさが増したことが、ホクホク系のさつまいもに合ったように思う。
・しっとり系の「シルクスイート」はロングバージョンもショートバージョンもどちらも評価が高い。よりロングバージョンのゆっくりじっくり加熱する方法の方が甘みを増してくれるので、時間がある時にはこの方法がおすすめ。
・人気の安納芋とシルクスイートは芋自体のポテンシャルが高いので、土鍋(空焚き可)で調理をすればショートバージョンでも十分に美味しい焼き芋ができる。
・電子レンジバージョンもホクホク系の「なると金時」は想像していたよりも水分が残り、悪くなかった。ねっとり系としっとり系のさつまいもは電子レンジ調理はあまりおすすめできない。
まずは自分好みのさつまいもの系統を知り、それに合った調理方法をお試しになってみてください。さつまいもの状態や大きさにによっても変わりますので、今回のラボをご参考に美味しい焼き芋をご自宅で楽しんでください!!
焼き芋にオススメの土鍋の条件
焼き芋に最適な土鍋の条件
①空焚きが可能であること。②肉厚で蓄熱力が高い。③ふたに穴が開いていない方がより水分量を保ち、熱も外に逃さない。
・「ロースト土鍋」
・「いぶしぎん」
・「男厨」