「五本木 響」
東急線 学芸大学駅から徒歩5分ほど、駒沢通り五本木交差点近くの住宅地でひっそりと営まれる 隠れ家的本格和食店「五本木 響」に行ってみました。
入り口をのぞくと、お店の真ん中をはしる立派なカウンター越しに仕事中の大将が見えました。
大将の前のそのカウンターの端には長谷園の炊飯土鍋「かまどさん」が3つ並んでいます。
ちょっと嬉しくなって「今日、わざわざ飾ってくれたんですか。」と問うと「いつものとおりここに出しっ放しです。」のお答えに本当に嬉しくなってしまいました。
響さんと長谷園のお付き合いは、2018年に響さんが調布の仙川から五本木に移転されてからです。
恵比寿に土鍋屋があると贔屓のお客さんから聞いた響さんが、バイクに乗って長谷園 東京店 igamonoにきてくれたのが始まりです。
仙川でも土鍋ご飯をメニューにしていた響さんですが、長谷園の土鍋とはその時が初対面。
伊賀の粗土と土鍋の風情を気に入ってくれた響さんは、そのままバイクに積んで持って帰ってくれました。
「長谷園の土鍋は使いやすくて丈夫、それでいて安価。沸騰したら火を消しただけで、誰でも美味しいご飯が炊けるのが凄いから、お客さんに進めたら、炊飯器をやめた人が結構いますよ。」とのありがたい営業活動に感謝感謝。
「料理屋としてはパーツ販売がありがたいですね。気兼ねなく長いこと使えるから。土鍋の風情もいいですよね、主張しすぎない。いろいろ欲しくなっちゃうのが困るんだよ。」との長谷園スタッフが聞いたら歓喜の涙を流すお言葉までいただきました。
響さん、お店では登場しない長谷園のいろいろな土鍋を個人所有しているようです。
重ねて感謝感謝感謝。
次々と懐石スタイルで供してくれる響さんの料理は本当に美味しくて、旬の食材を贅沢に組み合わせたアート作品のような一品は、和食というジャンルでは括りきれません。
味覚だけではなく、視覚や触覚など人間の五感をフルに刺激してくれます。
時々に合わせて選んでくれるお酒とのハーモニーがさらに歓喜の世界へと導いてくれます。
そして料理の終章、デザートの一つ前にいよいよ「土鍋の炊き込みご飯」が登場です。
本当に美味しくて素敵な料理でした。
食材の選択、組み合わせ、調理、器、どれをとっても魅力的。でも一番の魅力は響の大将の人柄なのだと思います。
もとラガーマンだったいうガッシリした体躯から、はじめは想像出来なかった、禅寺の修行僧の様な、厳しいけど柔らかくて優しい眼差し。
食を提供するお客様本人だけではなく、そのまわりの家族や友人にも注がれる慈愛に満ちた感性が料理に滲み出しているのだと思われます。
響さんの大いなる慈悲の心が、長谷園のものづくりの心と、どこかで共振してくれているのであればとても幸せです。
【この日のおしながき】
・ボタン海老とホタテのしじみジュレ
・五宝箱(しらうおポン酢・茄子の田楽・子持ち昆布・れんこん餅揚げ出し・合鴨もも炭火焼)
・鮑の稲庭うどん
・北海道北寄貝
・鱧と松茸のお碗
・太刀魚 トリュフソース
・鰻の炭火焼
・新潟県魚沼大沢米土鍋ごはん
・季節のフルーツ大福とアイス最中
【店舗情報】
五本木 響
東京都目黒区中央町2-36-7 前田ビル1F
TEL 03-6303-0738 https://www.gohongihibiki.com/