長谷園だより 土鍋のある暮らし




お店に行ってみた
2023.03.15

「柾木」(京都 二条)

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「京都の柾木(まさき)さんでいただいたご飯がすごく美味しくて。買いに来ました。」
かまどさんのご購入に東京店を訪れたお客様から日本料理 柾木の名前を初めて聞きました。その後、懇意にさせていただいている京都の陶芸家から「今、京都は柾木が美味い。かまどさんを使ってくれているよ。」と聞いたのはそれからしばらくしてからのこと。

これは行かなくては。とやって来ました京都。

お店のある二条に到着し、京都風情たっぷりの暖簾をくぐると柾木俊介さんがカウンター越しに迎えてくれました。

炒り米のリゾット仕立てに雲丹をのせた先付でまずお腹を落ち着かせてからのスタート。

炒り米のリゾット仕立てに雲丹をのせた先付


ゆっくりゆったりと少しずつ供せられる料理はいかにも京都という華やかさとは異なり、一見無造作に仕上げられたように見えます。しかし、使われている器が「今、京都は柾木。」と教えてくれた陶芸家の器だったりと、じつは細やかな心配りが施されていることに気付きます。そして箸をつけてみると食材の驚くべき力強さに衝撃を受けるのです。一皿一皿と重ねるごとにその衝撃は大きくなっていきます。
お任せですし、お品書きもありません。一皿ごとに柾木さんが素材や調理の話をしながら出してくれます。

 京都の作家 村田森さんの器に春が盛られ、器とのマリアージュにもワクワクします。真鯛の炙りにからすみとぎんなんのソースかけ
魚の旨味たっぷりのお出汁が最高! クエと大根の汁もの
京都の作家 山本哲也さんの器に穴子の焼物
うなぎの白焼きにからみ大根
楽しみにしていた穴熊の煮物 お出汁を含んだせりやごぼうがたまりません

お酒も和洋なんでもあるので、ワインでも日本酒でも料理にあったものを勧めてくれます。

青森限定のお酒「田酒」

まずオレンジワインそして青森の日本酒2種をいただきました。これまた料理と見事にマリアージュ!幸福な結婚ってこんなんだーと妙に納得。

デザート 最中の中身はなんとゆりねの餡

柾木俊介さんは青森生まれ。東京に出て料理人としての修行をスタートさせ、京都で研鑽を積んでここ二条に自分のお店をオープンさせて7年。

青森生まれで京料理ということが柾木の驚くべき力強さの衝撃に関係しているように感じました。食材の選択眼、丁寧な下ごしらえ、それら食材の絶妙な組合せが醸し出すハーモニー。一見無造作に見えながら、じつは細やかに施されている調理。それは青森の強さを芯にして、京都の雅に包まれながら育んだ柾木俊介さんの料理哲学に由来しているように思えます。

柾木さん衝撃料理の記憶に圧倒されて「かまどさん」の話を忘れていました。

「かまどさん」で出されたのは白いご飯。ちりめん山椒と香の物、卵黄の醤油漬がついてきました。

「料理は毎日変わっていくけど、お店をはじめてからご飯はずっと変わらずこれです。柾木の料理の中で、このご飯は皆さん覚えていて、ご飯が一番美味しいと言うんです。」と柾木さんがとつとつと語ってくれました。
季節が変わったら、どんな食材でどんな調理をみせてくれるのだろうか?
何度でも来たくなるお店です。

【店舗情報】
柾木
〒604-8805京都府京都市中京区壬生馬場町15-20
(地下鉄東西線 二条駅 徒歩8分 / JR嵯峨野線 二条駅 徒歩7分)
TEL 050-5493-2287 https://masak-kyoto.gorp.jp/

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